月刊ウマナリ

日常と漫画制作の事

「イキナリ面白い」っていいね-『特捜部Q』シリーズの話-

 少し前だったか、『ハエ全書』について書きましたが、その本を読んでいた頃は暇さえあれば本を読んでいるという感じのデブでありました。いや、その頃はデブじゃなくて普通の体型だったので、ただの読書好きでした。
 その頃は持病も結構悪く、うつ期が長々と続いた時期で、読書以外の事に興味が持てずにいたので、本ばかり読んでいたものでした。図書館に通ったりして、今も本という物が好きなので、思い出してはワクワクしてしまったりして(うつについてはまた別口の思い出ですが)、また図書館に行きたいなと思っています。
 今も本を読むのは好きですが、漫画を描いたり寝込んだりゲームしたり、出来ることが色々あるので(寝込むってのはできることじゃないけど)そんなに時間は取れません。毎日ちょびちょび、ぼちぼち、遅読爆裂で読書をしています。

 先日、お気に入りの「特捜部Qシリーズ」の一冊を読み終えました。『特捜部Q-吊るされた少女-』です。シリーズの6作目という事ですが、今回も面白かったです。毎回面白いです。オススメです。
 初めてこの本を読んだ時とても気に入り、2作目もすぐに読んだのですが、その時、今回も「イキナリ面白い」なと思いました。
 イキナリ面白い、これはとてもいい事ですよね。「いい事」っていうのは善悪や上手い下手、そういう意味の良し悪しではなくて、「楽しくていいね」って事です。あくまで自分の好みの話で。
 私は海外ミステリーが好きで、他のジャンルも読むけど、比べると海外ミステリーの割合が大きいです。
 なので、このジャンルでの比較で「イキナリ面白い」このシリーズは自分の気に入りの筆頭になっています。

 海外の小説は、描写が細かい事が多いですよね。「ズボンをはいていた」が「きちんとアイロンのかかったカーキ色のラルフローレンのチノパンツをはいていた」とか。
 それが重要な事、その人物の内面や、場面の空気など、何かを読者に伝えるために必要ならみんな書くと思うんだけど、読んでいるとそうも思わない。だから、日本の小説でそういう風に細かく書かれている場合とはちょっと違う。
 その流れか、ミステリーではトリックや法の抜け道や、小道具、組織についてなど、海外のものはめちゃくちゃ説明が細かいものがわりと多い気がします。そして、それがちょっと……眠くなったりすることもあったりして。
 『特捜部Q』シリーズにはそれが全くありません。必要最低限の説明と登場人物の言動や心理描写、それだけ読むと頭の中に映画のように映像が流れていく。そういう感じで、ストレスがないです。映画を見ている感じ。
 映画で、ちょっとした小道具や作戦、組織についてなどを長々と説明したりはしませんよね。でも、演出で、キャラクター同士の関係や、どれだけヤバい事をしようとしているのかなど、情報は色々と伝わってきます。そして、詳しい事が分からなくても進む話なら、ストレスがかかるよりは分からないながらも進む方が、私はいいです。あくまで私の話。
 例えば、ジェフリー・ディーヴァーの「リンカーン・ライム」シリーズのような細かい描写や説明そのものにも面白さがあるものもとても好きです。でも、そういうのはまたそういうジャンルというか、技っていうか……誰でもできる芸当ではなく、普通?の人が下手に長い説明をすると読者の導眠剤になってしまったりするのかな。いや、分からんけど(?)。

 更に、このシリーズのコミカルな部分も私はとても好きです。読んでて声を出して笑ってしまう事もあります。
 主人公のカール、アシスタントのアサド。この二人が特に面白く、更に、彼らは犯人を追い詰めたり、本人は犯人だと知らずに追い詰めていたり(読む側からすると「その人やで!気ぃつけや!」ってなってるんだけど)するんですが、必ず殴られたりなんだりして死にかけます。やっぱり今回も気絶したか……みたいな。「なんでやねん」の大ピンチに陥ってしまいます。
 その、彼らの「ヒーローじゃない」感じが好きで、それでも、いや、だからこそファンにとっては彼らはヒーローなのです。
 そういうのいいですね☆

 本を読んでいて、楽しいなぁなんて感動している時にふと思うのですが、作者さんが死んだら嫌だなぁって。そりゃ人には皆寿命もあるし、病気にならはる事もあるので仕方ない事だけど、この面白い本の新作はもう書かれないのかっていう残念さや寂しさがありますよね。
 でも、この頃は私もだいぶ大人になって、新しい作家さんも日々生まれ、その中から私にとってとても面白いと思える本を書く人もたくさん出てこられるでしょうし、ずっと書いてはって、本も図書館や本屋さんに並んでいるのに私が出会えていないという作家さんだってそれはたくさんいてはる事でしょう……って事が、分かってきました。
 それから私ももうこの年ですから、この先何冊本を読むかっていわれると、多分30冊くらいしか読まないんじゃないかって言う……。30冊は少ないか。

 そんなワケで、長くなりました。文章の設計図みたいなやつをかいたときはこんなに長くなるはずじゃなかったのですが……やっぱり私ですね(開き直り)。読書感想文で悩んでいる甥っ子からみると羨ましいと思われるかもしれません。私も小学生の頃は原稿用紙を前に白目をむいていたものですが。

 そうそう、この「特捜部Q」シリーズですが、ハヤカワ・ミステリ文庫から出ています。作者はユッシ・エーズラ・オールスンさんです。

 では、今日はこの辺で。また次の記事で会いましょう☆